そもそもマイナンバー制度って何でしょう?
現在の本人確認制度では氏名、住所、生年月日、性別の4つに分かれています。従来の方式ではこれで良かったのですがコンピューターが管理するようになって困った事もあります。例えば東京都豊島区池袋1-1-1と東京都豊島区池袋1丁目1番地1号は同じ住所なのか?そういった事をコンピューターに教えてあげなければいけません。また氏名、住所などは結婚して名前が変わったり、引っ越して住所が変わると変更手続きが面倒です。しかしマイナンバー制度によって番号をコンピューターで管理されるので面倒な手続きも最小限で済み、コンピューターで管理しやすいというのが最大の特徴です。情報社会だから生まれた制度という事になりますね。
マイナンバー制度の目的は行政の効率化、そして国民により一層便利に暮らして貰うのが目的なのですが、では私たちがどう便利になるのかという話なのですが例えば今まで役場に行く際に手続きに印鑑が必要だった手続きが自宅のパソコンから手続き出来たり、また住民票を発行する手続きも役所の方が照会してくれるので準備をする必要性がなくなります。そういったシステムが導入されるのはまだ先ですが導入されると今よりずっと楽になります。
またマイナンバーは個人には12桁の番号、法人には13桁の番号があり個人は市町村、法人は国税庁長官から配布されます。個人の場合、情報が漏れた場合番号の変更は出来ますが、法人の場合は出来ません。
マイナンバー制度はどういった時に使うのか?
個人番号が必要になる時というのは色々言われていますが限られています。例えば健康保険、税金関係、失業保険、災害時などに使います。災害時と言われるといまいち解らないかも知れませんが被災者台帳の作成時、被災者生活再建支援金の支給に関する時に個人番号を聞かれます。
これが一番心配な情報管理はどうなるのか?
やはり一番心配な部分はこの部分でしょうか。勘違いしている人が多い部分は「管理方法」なのですがマイナンバーの管理は分散管理方式になっています。一つの行政が管理しないで必要な時にだけ情報の照会、提供を行う。という事です。
PPC(特定個人情報保護委員会)という機関があります。これは政府が作った組織があるのですがこれは一体何をするのか?それは雑に書きますと「情報管理」です。
このPPCのお仕事内容は以下の通り。
- 特定個人情報の取り扱いに関する監視・監督
- 苦情に対するあっせん
- 特定個人情報保護評価
- 特定個人情報保護の広報・哲発
- 国際協力
この5つがメインです。この中で2は個人が自分の個人情報の取り扱いに不満や問題がある場合にPPCに申し出をします。そうすると相手が企業であってもPPCが助言、指導を命令する事が出来ます。5は情報が海外に流出した事を考慮し海外の関係当局と連携して個人情報を保護するよう協力して業務をします。
マイナンバー制度に関する罰則
これも知っておいた方が良いです。民間企業や個人事業主なら以下の事を覚えておきましょう。
- 個人情報を他人に売る=4年以下の懲役、200万以下の罰金
- 暴力や不正アクセスで盗む=3年以下の懲役、150万以下の罰金
- 会社の管理者が法令違反、PPCの命令を聞かない=2年以下の懲役、50万円以下の罰金
- PPCに虚構の報告、答弁や検査の拒否など=1年以下の懲役、50万円以下の罰金
上記は例ですが一般の人はあまり関係ない事ですが下2つは気をつけておきましょう。
マイナンバー制度でよくある誤解
マイナンバー制度で言われるのが「犯罪歴が解ってしまう」などありますがそういった情報は個人番号に情報を入れる事は認められていません。犯罪歴だけではなく、畳歴、購買履歴、位置情報などは含まれないのが大前提です。
また所得額が知られてしまうのでは?という記事もよく見ますが所得額は税務担当者に知られているので関係ないです。ただ以前より正確に把握されるので脱税が出来なくなります(当たり前ですが脱税は駄目です)。
住基カードはどうなるの?というのも目にしますが住基カードは平成28年以後は新規発行出来なくなるので現在ある住基カードの有効期限が過ぎれば廃止されます。
個人事業主で知っておいた方が良い事。
個人事業主の人はマイナンバー制度どうすれば良いのか?例えばアルバイトを雇っている場合、アルバイトとの関係が悪かったとします。アルバイトの子が「信用出来ないので預けたくありません、バイトを辞めます」と言われる場合もあるという事も想定しなければなりません。また管理方法なのですがネットにつないでいるパソコンは常にセキュリティソフトを最新にする事、さらに不安なのであればネットに繋げないパソコンで管理する事。これが良いと思います。また取引先によっては個人番号を提示する事もあるでしょうが、信用出来ない会社であっても報酬を受け取るには個人番号を教えなければなりません。そういった事も視野に入れます。
システムを導入しようとしている人はシステム導入にビックリする程お金がかかります。そのため、ある程度自分で管理をし無料で相談出来る行政機関を利用して節約しながら導入する事をお勧めします。
またこれは元々違法の話なのですが従来まではうまく処理して社会保険料を払わなくて良い方法が可能でした。しかしマイナンバー方が適用されるとごまかしが出来なくなります。社会保険料を負担する事によって経営が苦しい零細や個人事業の人は廃業する人が増えると言われています。
サラリーマンの副業がバレるのか?知っておいて損はないです
ここも多くの人が気になる所ですがマイナンバー制度によって副業がバレるのではないだろうか?これを調べた人も多いはずです。ほとんどの企業が副業を原則禁止しています。また副業が大丈夫でも自分がキャバクラなどで働いている事を知られたくないという人もいるでしょう。
バレる大きな理由は住民税ですが副業の収入は「事業所得」もしくは「雑所得」になります。これが20万円以上ならば確定申告が必要になり副業で得た収入は住民税額になってしまうので会社が把握している数字より多いと副業がバレるという仕組みです。
では、これをどうすれば良いのでしょうか?
それは確定申告する際に住民税の特別徴収と普通徴収を選ぶ項目があります。それの普通徴収に丸を付ける事。これは何なのか説明しますと特別徴収は会社の住民税から天引きしてくれ!という意味なので会社に副業してますよ!と教えているようなものです。
しかし普通徴収は自分で副業分の住民税を納める事になるのでバレる事がありません。
これはちょっとした豆知識です。
ここまで個人事業主や一般の人向けにざっくり書いていきましたがマイナンバー制度は企業さんでなければ難しい話ではないです。今「これは心配だ!破棄しろ!」など騒いでも制度が始まってしまっているので、出来る事はマイナンバー制度を理解する事が大事だと思います。今後も大きな課題がいくつかあるでしょうが、それについても理解する事が何よりも重要な事であり個人事業主なら「管理」する方法を今後考えていかなくてはいけませんね。